いい意味でも悪い意味でも、母親が子供に与える力は大きい。それが娘であれば、長女であれば、よりパワフルな気がする。
そして多くの母達は我が子を愛し、我が子のためにと全てのエネルギーを子育てに注ぐ。
生まれたばかりの頃は、オムツを変え、おっぱいをあげ、病気になれば医者に走り、元気に育つ事だけにその力を注ぐ。そしてやがてその力は様子を変えて行く。
人に迷惑をかけない子供、ひらがなが上手に書ける子供、習い事は他の子より上手にできる事、中学受験に失敗しない事、もちろんいい大学にはいる事、一流企業に就職する事、一流企業に務める旦那を見つける事。
親のそんなプレッシャーの中、それでも平然と生き延びていける子供はラッキーで、持って生まれた資質、性格でその違いは生まれてくるものの、幼い頃から「母の理想」を生きさせられた子供達はどこか生きにくさを感じ始め、やがて心が蝕まれて行く。
幼い子供には、「愛するがために容赦なく注がれる母の思い」に抵抗する術はない。
私には3人の子供がいる。10歳の長女を産む時に私は色々心に誓う事があった。それは自分が長女として育てられ味わった苦い経験を次世代に残さないための細やかな抵抗でもあった。
その頃冷蔵庫に貼ってあった 私の誓いを書いたその紙は 今でもここにある。
時々それを読み返し、反省し、初心に戻る努力をしてみたりする。多分どこかの臨床心理士の言葉から始まるその文はこう始まる。
「あなたの子供はあなたの子供ではありません。子供は命を求める熱望そのものの息子であり、娘なのです。あなたを通してこの世に出てきますが、あなたがつくりあげたのではありません。あなたと一緒にいますが、あなたのものではありません。愛を与える事は出来ますが、あなたの考えを植え付ける事は出来ません.........」
自身が母親との狭間でもがき、立派な依存症を患った私が、 我が子を産む前に心しておきたかった強烈な思いでさえ、日々の生活の中では消え失せる事がある。
ふとそう思った時「私の子供に私が何をしようと私の勝手でしょ」というマインドの母親に我が子の心の叫びが聞こえるのだろうか、聞こえないからこんな世の中になって行く。
0 件のコメント:
コメントを投稿